2021.01.19

ビーコンは様々なデータを取得可能!強みが活かせる利用シーンとは?

街中でスマホを使ってビーコンを探すイメージ

ビーコンは、Bluetooth信号を発信する発信機です。省電力でサイズもコンパクトなビーコンには、多くのメリットが存在します。

専用端末やアプリと連動させることで、店舗の販促に活用できたり、業務改善や新たなサービスに繋げられたりするなど、その活用方法は多岐に渡ります。そこで今回は、ビーコンで出来ることや他の通信機器との違い、利用シーンなどについて解説します。

そもそもビーコンは何ができる?

スマホの利用率が上がり、Bluetoothの存在がより身近になったことから、ビーコンの活用シーンは増えてきています。そんなビーコンで何が出来るのか確認していきましょう。

ビーコンとはBluetoothを活用したデバイス

ビーコンとは、Bluetoothの電波を発信するその物のことを指します。低消費電力の近距離無線技術である「Bluetooth Low Energy」を利用したデバイスのことです。身近なところでは、大型商業施設の施設マップや商品情報の配信などにビーコンが活用されています。
そんなビーコンの最大のメリットは、人やモノの位置情報を取得したり、情報へのアクセスが容易になったりすることでしょう。わざわざ広告やホームページを開くことなく、ユーザーが特定の範囲に入るだけで情報を届けられるのです。
その活用方法は多岐に渡るため、広告や経費削減、災害対策など今後導入を検討するユーザーや企業は増えていくでしょう。

様々なデータを検知可能

ビーコンは、Bluetoothを利用して数秒に1回のペースで、半径数メートルから数十メートルの範囲に信号を発信します。その範囲内に信号を受信できる端末があれば情報を得ることができるのです。
たとえば、道案内のナビゲーションに使われたり、美術館の作品の音声ガイドとして利用されたりしています。また企業においては、従業員の勤怠管理や商品の在庫管理などにも活用されているのです。
スマホ以外でもBluetoothの受信機能がある端末であれば、ビーコンはいつでも利用できます。

情報発信サービスで活躍

スマホの普及により「iBeacon」が登場したことで、ビーコンの利用シーンは急拡大しました。iBeaconとは、Apple社が開発したiPhoneのビーコン規格です。ビーコン端末から発信される電波をスマホが受信することでさまざまな情報を届けることができます。
現在では、セール情報やお得情報の送信を目的として、販売促進などに利用されています。ユーザーに有益な情報や独自コンテンツを送信することが可能なため、ビーコンの情報発信サービスは更に広がりを見せることが予想されます。

ビーコンと他の無線通信機器は何が違う?

無線通信により位置情報を送信出来るのはビーコンだけではありません。そこでビーコン以外の無線通信機器には何があるのか、またその違いについて解説します。

ビーコンとGPSは発信源が異なる

ビーコン以外の無線通信方法として「GPS」が挙げられます。GPSとは人工衛星から発せられる電波を利用して、位置情報を取得する仕組みのことです。
このGPSは、ビーコンとは「発信源」が全く異なります。ビーコンは信号を発信する発信機そのものを指しており、その範囲は半径数十メートルの近距離のみです。一方、GPSは「人工衛星」を発信源としているので、広範囲で受信をすることができます。

Wi-Fiよりも位置測定の精度が高い

もう一つ有名な無線通信方法は「Wi-Fi」です。Wi-Fiはアクセスポイントを利用して位置情報を取得します。
しかし、アクセスポイントが少ないエリアでは正確な位置情報を取得することが難しく、精度が高いとはいえません。また、近くに複数のアクセスポイントがある場合、信号同士が干渉し合い、通信が不安定になることも。安定した位置情報の送信を目的とするならビーコンをおすすめします。

ビーコンの強みが活きる利用シーンとは?

ここまでビーコンで出来ることや他の通信方法との違いを見てきました。そこで、ビーコンの強みを活かせる実際の利用シーンについても紹介します。

人や物の情報を管理する工場や倉庫

製造業や倉庫業などでは、人や物の情報管理が重要です。人や物にビーコンを取りつけることで作業員の位置情報や設備の稼働状況、在庫の有無がデータ化出来て管理しやすくなります。

また、危険エリアへの立ち入りをアラートで喚起するといった安全管理や、人と物から得たデータを日々蓄積し、解析することで業務改善にも役立てられているのです。

走行中の車に情報を送受信する高速道路

ビーコンは高速道路にも設置されています。渋滞状況や目的地までの所要時間、リアルタイムの道路状況などを走行中の車に送っているのです。

高速道路では「電波ビーコン」、一般道には「光ビーコン」が設置されており、カーナビを通して最新の情報をドライバーへと伝えています。

アパレルなどの店舗業務の省人化

アパレルメーカーでは、ビーコンを利用して店舗業務の省人化を進めています。

実際に、センサの活用によってオンライン自動決済が実現したり、在庫の補充作業が不要となったりするなど、店舗の業務改善に繋がっているのです。今まで人で行っていた店舗業務には、ビーコンを利用することで不要となることが多くあります。

加速度センサを活用した自動車保険

加速度センサを活用した自動車保険もあります。保険の契約時に渡された専用ビーコンを車内に設置することで、万一の事故を起こした際には、警備会社が駆けつけてくれたりと、充実したサポートを得たりすることもできるでしょう。
さらに、運転の状況をレポート化してフィードバックしてくれるため、ビーコンは安全運転のサポートにも活用されているのです。今までの自動車保険にはない新たな価値をもたらす、ビーコンの利用シーンの一つといえるでしょう。

大切な財布や鍵などの忘れ物防止

財布や鍵を失くしてしまった経験は、誰しも一度はあるのではないでしょうか。そんな大切な物にビーコンを装着することで、紛失のリスクを防止できるサービスもあります。
失くしてはいけないもの自体にビーコンを取りつけ、それに連動するスマホアプリをインストールすれば、失くした場所をすぐに特定出来るのです。忘れ物防止にもビーコンの強みが活きるでしょう。

まとめ

ビーコンの導入のハードルは年々低くなっており、価格も以前よりも安価になってきました。またスマホユーザーの増加で情報を受信する人も着実に増えています。

活用のシーンは今後さらに広がるとみられ、ビーコンは新たなテクノロジーやマーケティングツールと連携して、その活用方法は今後も拡大していくことでしょう。

ここで紹介したビーコンの利用シーンや実現出来ることが、導入への一歩となれば幸いです。