2021.02.17

いまビーコンが注目されている!選ばれる理由や得られるデータを解説

マップの上にミニカー
位置情報とビーコン

最近改めてよく耳にするようになったビーコン。今後、AIやロボットといったテクノロジーがさらに発展する中で、私たちの生活にビーコンはより身近な物となっていくことでしょう。
しかし、ビーコンがなぜ選ばれるのか、またビーコンから得られる情報について正確に把握しているという方はまだまだ少ないのではないでしょうか。 
そこで当記事では、ビーコンが注目されている理由や送受信できるデータの詳細などを分かりやすく、詳しく紹介します。

なぜビーコンがいま注目されているのか?

位置情報を活用したソリューションが多く開発される中、改めてビーコンが注目されています。そこでその理由について、3つの事例をもとに見ていきましょう。

自然災害による救助や高齢者の位置特定に活用

ビーコンは自然災害などの救助や防災の観点からも注目されています。数十メートル程度の範囲で特定できるビーコンの特性を活かし、遭難者救助や高齢者の位置情報の特定に活用されているのです。

台風や大雨などの自然災害に悩まされることが多い日本において、災害時の安否確認はとても重要な課題。その解決方法の一つがビーコンであることが注目されている理由でしょう。

感染症対策のソーシャルディスタンス確保

ビーコンは、昨今注目されている感染症対策としても取り上げられています。現在、社内でのソーシャルディスタンスの確保を進める企業も多いでしょう。

その対策として専用ビーコンを導入し、「3密状態」になると距離を保つよう警告する仕組みを導入している企業もあるようです。また在宅勤務やリモートワークの導入が進み、今まで以上に社員の行動管理が重要となっています。

正確な位置情報を把握できるビーコンだからこそ、感染症対策や勤怠管理ツールとして改めてビーコンが注目されているのです。

小売店などの人手不足の対策

小売店などの人手不足の対策としてもビーコンが活用されています。日本国内において、某アパレルメーカーがビーコンを活用した新サービスを発表し、注目が集まりました。店舗の商品についているタグをスキャンするだけで、希望のサイズが試着室に用意され、そのままオンラインで購入することが出来るという仕組みです。

同様のサービスは大型ホームセンターでも採用されているため、今後は主流のサービスとなっていくかもしれません。

ビーコンで送受信できるデータとは?

ビーコンはBluetoothを利用することで、様々なデータの送受信が可能になります。接触することなく数メートルから数十メートルの範囲に発信できるビーコンは、どのような情報を送受信することが出来るのでしょうか?

そこで送受信出来るデータの種類について確認しておきましょう。

人や物の位置データ

ビーコンで送受信する代表的なデータに「位置データ」があります。人や物の位置をデータ化することで、様々な観点で利用出来るデータが蓄積されるのです。

製造や物流、医療の現場において、人や物の移動や滞在時間を知ることが出来れば、業務改善やコスト低減などに繋げることが出来るといえます。

状態監視が手軽に出来る加速度データ

人や物の状態を監視する加速度データを送受信することも可能です。加速度とは、ある期間にどの程度位置が変化したかを表します。

たとえば、工場内で加速度センサーを装着した作業員に一定の期間動きがない場合、管理者にアラートを通知して事故発生の可能性を知らせることも出来るでしょう。

また小売店であれば、お客様が加速度センサーの装着された商品を手に取ると、そのタイミングでスマホなどにディスプレイ広告などを配信するといった施策をとることも出来るのです。

特定スペースの温度や湿度データ

特定スペースにおける温度や湿度のデータもビーコンから取得できます。その利用シーンとしては、精密機器や物資、材料などの保管環境が挙げられるでしょう。

温度や湿度データに異常が発生した場合、ビーコンからアラート情報を送信することも可能です。またサーバールームや食品、薬品など常に温度や湿度を一定に保つ必要がある場面では、ビーコンは特に重宝されるのではないでしょうか。

エリア内のコミュニケーションデータ

小さなエリアでのコミュニケーションデータをビーコンで送受信することが可能です。子どもや高齢者が「ホイッスル型」のビーコンを持っていれば、位置情報を正確に把握したり、見守りサービスを展開したりすることも出来ます。

また高齢者や妊婦、小さな子どもが援助や手助けを求める際にビーコンを利用することで、よりピンポイントな情報をデータとして受け取ることが出来るでしょう。

まとめ

最近はビーコンへの注目度が改めて高まっており、ビーコンから得られるデータを活かしたサービスや取り組みが増えてきています。同じ位置情報を発信するGPS機能では実現が出来なかった「ピンポイントの位置情報」がビーコンなら可能になるのです。

ユーザーが得たい情報をストレスなく、簡単に届けることが出来るビーコン。今後ますます私たちの生活に浸透していくことでしょう。